デザイン=お化粧?

■「デザイン=お化粧?」

「デザイン」はいかにかっこよく、かわいく、おしゃれに見せるかという技術と思っている方は少なくないはずです。かくいう私もどうすればかっこよくなるのか、というスタンスでデザイナーとして仕事をしていた時期もあります。デザインは、商品や会社、サービスを素敵に見せるための「お化粧」と勘違いしている人は多いはずです。

デザインをお化粧として捉えていると、小手先の技術で意匠を作り上げることになります。ちょっとしたパーツの組み合わせで、それっぽく作り上げることはできるでしょう。しかし、その場合、デザイナーの好みや技術の範囲に頼ることになります。つまり、作り手の個性によってアウトプットが決まってしまうのです。

みなさん、デザイナーだって個性があるんじゃないの?と思うでしょう。もちろん、デザイナーによって得意な表現、苦手な表現はあります。しかし、同じ商品のパッケージデザインであっても、頼むデザイナーによって全く異なるものができるとすると、その商品そのものの本質は一体どこへ行ってしまうのでしょう。

ひどい場合には外身と中身のイメージが全く違う商品ができあがるおそれもあります。そうなればお客さまに嘘をついているのと同じことです。

■「デザイン=ヨガ」

理想は、誰が携わっても同じアウトプットになることです。ここで言う「”同じ”アウトプット」とは、同じイメージを与えることのできるアウトプットのことです。別のデザイナーが作れば、全く同じものはできあがることはありません。見た人に同じイメージを抱かせることができれば、表現の違いはあまり問題にはならないと私は思います。

つまりは、デザインの重要な部分は実際に見えている意匠の部分よりも、具体的には目に見えない「コンセプト」の方が重要なのです。正しく設定されたコンセプトを正しくアウトプットしようとすれば、必然的に目的を達成できる意匠に仕上がるということです。「デザイン」という言葉の意味を説明する場合、外見を美しくするための「お化粧」よりも、内面から美しさや健康を追求する「ヨガ」と言ったほうが、的確に表現できるかもしれません。

■こんな発注になっていませんか?

デザインを依頼するクライアント側も「かっこよくお任せ!」なんていう発注の仕方になっている場合は要注意です。こういった発注の場合、デザイナーは小手先の技で意匠を仕上げなければなりません。しかも、発注側と制作側の「かっこいい」の定義も異なる場合がほとんどで、”なんとなく”違う仕上がりになってあがってくるのは目に見えています。

そのデザインが果たさなければならない目的をきちんと設定すれば、その目的を果たすために”どんな”かっこよさが必要なのか明確になります。デザイナーと共有することができれば、「”なんとなく”違う」は避けることができます。

商品、サービス、会社などには果たすべき目的があります。その目的をきちんとはじめに設定することが、デザイン思考における大事なひとつのステップなのです。

文章:宮崎まさひろ

関連記事

PAGE TOP