【デザインマネジメントへの道】デザインは無力

■デザインマネジメントへのはじめての気付き

私はかつて、「デザインは無力」であると感じたことがありました。
私にとっては、デザイナーとしての自信を失うショッキングな出来事でしたが、一方で今大事だと思っているデザインマネジメントへとつながる最初のきっかけにもなりました。

■自分の弱さをデザインになすりつけていた

それは、とある依頼を受けたときのことです。

お店のチラシを作ってもらいたい。
年々売上も落ちてきているから、チラシを撒いてなんとかしたい。

そんな依頼でした。

お任せください!と意気込んでクライアントのお店に行ったのですが、店内に入ったときに私は違和感を感じました。
店内はあまりきれいではなく、暗い雰囲気。
昼時にもかかわらずお客さんはいなく、無音のむなしい店内。
お客さんが「来たい」となるようなお店とは思えませんでした。

「チラシを作ったところで、お客さんは来ない。売上は伸びない」
瞬間的にそう感じました。

しかし依頼は依頼。
しっかりと話を聞いて、希望に応えるべくデザインを起こして持っていきました。

デザインのクオリティは問題なかったと思います。

でも、やはり自信はありませんでした。

いくらいいデザインを施してチラシを撒いたところで、事態の改善は望めないと頭の片隅では思っているのです。

結果的にそのデザインはクライアントの都合で、チラシになることなくボツ企画となりました。
デザイン料はもらえませんでした。
でも、そんなことはどうでもよく、ただただ自分の無力さを感じていました。
そして、同時にデザインもまた無力なのだと思ってしまっていました。

■デザインは本当に無力なのか

ふりかえれば、私にできることはたくさんあったはずです。
ほんとうの意味でクライアントに貢献するという選択ができなかった自分の弱さの結果だったのです。
さらには、その弱さをデザインになすりつけてしまったのです。

デザインは確かに万能ではありません。
それひとつでいままでの流れを180°変えられるデザインはほんの一握りでしょう。
しかし、デザインを取り巻く要素を整えてあげれば驚くほど力を発揮してくれるものでもあります。
そのことに私はまだ気づいていなかったのです。

反対に、私自身が携わったデザインですばらしい結果をもたらしてくれたものもありました。
デザインに救われたこともたくさんあります。

その話は、また次の機会に。

文章:宮崎まさひろ

 

※記事内で使用している画像はイメージです。

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